H-01. 夕凪

<Main Chapter>…ないと様 (R-18)



汗が滝のように……
ぽたりぽたりと落ちて日に焼けた畳に小さな染みを作る…
夕方になってもまだ茹だるような暑さがつづく…

開け放した窓から聞こえる騒音に紛れてかき消されていく…
幸村の唇から漏れる甘い嬌声…

『…やっ………ダメ………窓…開いて……る……』
『…気にすんな…どうせ工事の音で聞こえやしねぇよ…』
幸村の乳首に軽く歯を立てて政宗はにやりと笑った…
『…あぁっ………やぁ……んっ………そこ……………ダメっ………』
甘噛みを繰り返し舐るようになめ上げてやれば…
小さかった胸の尖りが赤みをまして膨らんでいく…
指先で摘まんでさらに攻め立てる政宗の額から汗がぽたぽたと流れ落ちて幸村のカラダを濡らした…
『…んんっ………いやっ………そこ…ばっか…り………』
焦れたようにいやいやと首をふり幸村は汗に濡れたカラダを無意識に政宗に摺り寄せる…
『…どうした…?…お強請りしてんのか?…ん?…』
『…ちがっ………』
慌てて否定し恥ずかしさで顔を背ける幸村の顎を政宗の指先が捉え…
『…んっ………ふっ………んんっ…』
強引に唇をこじ開け逃げ出そうとする幸村の舌に政宗の舌が絡みついた…
『…んっ………はぁ…ん……だ……めっ…………も………っと………』
真夏の熱にカラダも思考も溶け始めたのか…
さっきまでの戸惑いを忘れ幸村はいつもより情熱的に政宗を誘う…
目を閉じて両手を伸ばし政宗のカラダを強く抱きしめながら自らの下半身に溜まっていく欲情の開放を…
愛しい男にただひたすらに求めた…

『…幸村………どうした?…こんなに濡らして……』
しっかりと芯をもち起ちあがりを見せる幸村のモノをやんわりと手で包み込みながら政宗は微笑んでみせる…
『…汗だけでこんなにべたついてるってわけぢゃ…ないみてぇだな?…』
『…やっ………政宗の…意地悪……んんっ……やぁん………』
親指の腹で雫をたらたらと零すその先をぐっと押しこんでやれば…
幸村は堪えきれずに大きく仰け反りふるふると小刻みにカラダを震わせた…
『…ひっ………いやっ………そんなに…したら………』
仰け反った一瞬にできた畳と幸村の尻の隙間に政宗はもう片方の手を滑り込ませる…
しっとりと汗でぬれたその窪みの奥を優しくなで上げれば…
ひくひくと呼吸をするようにそれが答えた…

『…欲しいか?…』
ゆっくりと首筋に唇をはわせながら政宗が幸村に囁いた…
『…あっ………』
柔らかいその刺激が急激に軽い痛みにかわり…
幸村のカラダに紅い花びらをちらす…

指先をそっとあてがえば待ち構えたようにその入口が政宗の指を飲み込もうと蠢いた…
ゆっくりとじらすように指先を動かせば…
幸村の腰がひくりと跳ね上がりもどかしさに脚をゆらす…

『…政宗………』
目尻に涙を浮かべながら甘く囁くその声に…
『…どうした?…指だけぢゃ物足りないってのか?…』
政宗は掌の中でじわりじわりと熱をあげる幸村のモノを…
きゅっと握りゆっくりと上下に動かした…
『…あぁぁぁっ……………ダメぇ………はぁっ……あっ………』
『…いいぜ…逝っちまいな…あんたが逝くとこ…見ててやるよ…』
幸村は潤んだ瞳で政宗の顔を恥ずかしげに見つめた…

いつも…そうやって…俺ばかり………
政宗は…ズルい……………………

蒸し風呂のようなこの部屋の熱気と自分のカラダの中から湧き上がる熱量が…
幸村の僅かばかりに残っていた理性と羞恥心を溶かしていく…

初めて…
幸せだと感じた…

愛されていると…

全てを捨ててナニももっていない自分を選んでくれた…
何もかももっていたこの男が…
輝かしい未来を捨てて…

今にも壊れそうなクーラーもない安アパートで…
俺を抱いている…

それだけで…
本当にそれだけで…

いいと思った…

真っ白な精液が幸村の腹をぐっしょりと濡らす…
からからと今にも壊れそうな音をたてて廻る扇風機がゆるやかな風を送り…
しっとりと汗で濡れたカラダを撫でる…

はぁはぁと荒い息をあげながら…
それでもまだ足りないというように…
幸村は政宗のカラダに手を伸ばした…

『…あつい…よ…政宗…』
『…Ah?………夏…だからな…悪ぃな…クーラ買えなくて…』
政宗の言葉に幸村はそうぢゃないと首をふって…
『…違う…あついのは……そういうこと…ぢゃ…な…い…』
『…?…』
政宗の膝に抱き抱えられたまま…
幸村は政宗のモノを自らの中にゆっくりと埋めていった…

『…んっ………はぁっ…………んんっ………』
『…幸村…………』
政宗はそっと幸村の腰を支えるように手を添えた…
『…んっ……ダメ……動いて………』
政宗の首にすがりきながら幸村はその耳に甘い囁きをこぼす…

政宗の理性が…
幸村の熱で欠片も残さず溶かされていく…

あぁ…あんたはいつもそうやって俺を無意識に煽りやがる…………

ぐっと腰を突き上げてやれば…
それに答えるように幸村の中がきゅうっと政宗のモノを絞めつけた…

『…あぁ…あんた…やっぱり…最高だな…』
さっきまでの余裕の表情が少しずつ崩れていく…
幸村の腰の動きよりも激しく突きあげてやれば…
その小さな唇からもれる言葉はもう意味をなさない…

『…ひゃっ………は…げし……ダメ……ダメ……そん……な……あぁっ……』
目尻にたっぷりと涙を含ませたまま幸村は政宗の唇を求める…
貪るようにお互いの舌をからめ…
ぽたりぽたりと落ちる汗を拭うこともせずきつくお互いのカラダを抱きしめる…

『…ダメ……もう…………』
『…あぁ………俺……も………』

『………逝………っ…』
幸村はカラダの中に残る熱の全てを放出してしまったかのように…
ぐったりとその身を政宗に預けた…
政宗もまたはぁはぁと荒い息をあげている…


『…………はぁっ…………あちぃ………』
ぽつりと政宗の口から零れた言葉に…
『……だって…夏…だ…も……』
幸村はくすりと笑ってみせる…

『…来年は…クーラ買おうな…』
政宗は幸村の髪にその指先を遊ばせながら…
そっと頬にくちづけをおとした…

(…ナニも…いらない……政宗が…いれば………俺は…それだけで…それだけで…)


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2010/08/17 up